こんにちは!おーか(@319ss) です!
お久しぶりすぎて「おーか無事帰国したんだ、へえ~。」な方も多いかと思います。御無沙汰しております!!
6月26日にジンバブエでの活動を終え、日本に帰ってきました。
2年間のジンバブエ生活、たくさんの方々からの「ブログ読んでるよ」「応援してるよ」などのお声掛け、活動へのアドバイス、Twitter などのSNS上での♡いいねなどなど、日本から遠く離れた地にいた私のもとにしっかり届き、本当に力になりました。
ということで今回は、ブログやTwitter、FacebookなどのSNSを通して、または直接、私のジンバブエでの2年間を支えてくださった皆様に、この場を借りて、2年間のジンバブエでの活動の報告をさせていただきたいと思います!
その前に、私がいたジンバブエについて知りたい方はこちらのページをサラッとどうぞ▼
それでは!おーかの活動報告会をはじめさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いしますm(__)m
青年海外協力隊・2年間の活動報告
わたしは、 2016年度1次隊、青少年活動という職種で、ジンバブエの首都ハラレにある特別支援学校に配属されていました。様々な障がいがある子どもたちが通う小中学校です。(真面目に報告します!笑)
生徒数150人でクラスは16クラス。特別支援学校ということを考えると、決して十分と言える教員数ではありません。
そんな学校で、学校側からは、
音楽・スポーツや図工など日々の活動を活性化し個々の力を伸ばせるような、活動アイデアのシェアと実践をしてほしい
というぼんやりとした要請が上がっていました。
実際に現場に行ったときには、校長先生から「なんでもやっていいよ」と言われるという、現地の先生には具体的な困り感がない状況でした。
配属当時、 現地の人の「これが必要だ、こんなことをやってほしい」という具体的な困り感がない中で、わたしは、体育・音楽・アート、といくつかある情操教育の科目から「図工/アート」のひと科目に絞って活動していくことに決めました。
なぜ音楽や体育を、自分の活動としてやらなかったかというと、当時、音楽や体育は授業の時間割どおりに担任の先生たちによって行われていたからです。
それに比べて、図工の授業はカリキュラムには入っていても行われていない。
たまに図工の授業をしていると聞いて見に行ってみれば、先生たちが子どもたちに塗り絵の台紙を渡して、子どもたちがただ色を塗る、といった授業でした。
想像してみてください。
聴覚障がいのある子は、体は自由に動く子が多いので、台紙をもらえれば、自分で色を塗ることができます。一方、知的や身体に障がいがある子たちはどうでしょうか。
塗り絵の台紙が渡されてもクレヨンすら握れない子。
台紙が動いてうまく塗れない子。
台紙の絵の枠は関係なく殴り書きをして終わりの子。
それに対して先生が言う言葉は「この子はできないから」。
塗り絵が悪いとは言いません。むしろ、塗り絵はとてもいい教材だとわたしは思っています。
だけど、
台紙だけ渡して後はほったらかし。
教員の休憩時間のようになる時間。
「できない」で終わらせる授業。
これは、図工と呼ぶんだろうか。
私の中でそんなモヤモヤ感を感じたんです。
それなら。
先生達は「困っていない」かもしれないけど、子どもたちのために図工を通してアプローチしていこう。そう思い、わたしの2年間は「図工の授業改善」を軸に進んでいきました。
まず、 わたし自身が学校に入ってみて、見つけた課題である、図工と言えば塗り絵だけ、だったことに対して、なぜそうなってしまっているんだろうという「原因・理由」を考えてみました。
現地の学校の先生達に話を聞く中で、出てきた原因らしきものが主に4つ。
「図工は教員養成校(大学のようなもの)であまりやらなかった」
「色画用紙ないし。クレヨンも少ないし。絵具もない」
「教員一人で子ども10人を見るには時間が足りない。大変」
「時間がない。他の授業で図工の授業がつぶれる」
先生達から「図工は子どもたちにとって必要な授業」と、やる気がありそうな言葉も出てきて嬉しい一方で、上のような、授業ができない理由もしっかり上がってきました。
最後に出てきた「カリキュラム的に時間がない」に関しては、「私がこの学校で図工の授業をします。」と提案した時、先生達は「全然大丈夫!授業やって!」と授業時間を各クラス確保してくれたので、時間がないわけではないと判断しました。笑
先の3つのできない理由が根源となって、「時間がない」と言ってできないことにしているのではないかと思ったのです。
さて、配属されて2週間ほどは学校の見学や、教員・子どもたちとの交流、話を聞くことに努め、いざ、1年目の活動開始です!
1年目は、先ほど挙げた3点の課題について取り組みました。
私自身が子どもたちの教室を回り、授業を実際に行うことでアプローチしていくという形です。
①アイデアの不足/教員の図工に対する苦手識
これに関しては、塗り絵でもいいから子どもたちが学習できる要素を盛り込めるよう、塗るだけではなく、塗る絵の実物に触れる、ハサミで切る、のりで貼る、壁に飾って鑑賞する、などの要素を増やしてみることを提案していきました。
また、必要な子どもに対しては、塗り絵の際に、机に紙をテープやスティックスタッフなどを用いて固定し、塗りやすくすることも同時に提案していきました。
②道具・材料の不足
これに関しては、ごみから作ろう作戦です!
材料がないならお金がかからないもので図工をしてみよう!ということで、トイレットペーパーの芯やお肉などがのっているトレイ、使用済みの裏紙、葉っぱや枝、砂、などを使って、低コストで済むアイデアを提案していきました。
③一人ひとりに手を添えるのが大変
教員1人に対して、10人以上の支援が必要な生徒がいるクラスもあり、子ども一人一人にそれぞれ補助をすることは大変です。よくわかります。
なので、その授業で子どもたちに必要な支援などを予想して、授業準備をしっかりすれば、少しでも授業中に時間ができ、子どもたちに触れられる時間が増える、というのを実践しながら提案していきました。
このように、この3点の課題に対して、アプローチを続けること1年。
見えてきた成果と課題がありました。
生徒に関しては、活動当初は「おーか、やって。」「自分にはこれはできない」など、ネガティブな発言も多かったのですが、「あれつくりたい」「長いクレヨンなら握れる!」など、生徒から意欲溢れる言葉が聞けるようになりました。
ちなみに私の図工のアイデアの多くは、そんな子どもたちからもらったものです。
一方、教員に対してですが、1年経って、共にお茶の時間にお茶を飲み、授業時間を過ごし、話をし、そうこうしていると自然と関係はできてきました。
しかし、授業に対する参加意欲は低く、「おーかがやってくれる」と頼られっぱなしで、一緒に授業を改善していくまでには至りませんでした。
そんな中でも、私が図工でできた作品を廊下の壁に飾ることで、他のクラスの作品も含め「様々な塗り絵以外の図工」を目にする機会を増やすことができたのは、大きな1歩だったと感じました。
こんな風に私の活動は1年が経過したわけですが、さらに新たな課題が見つかりました。それが、
継続性のなさ。
です。私が提案した授業は、事前準備を含め作業量が多いため、現地の教員はできればやりたくない感が満載でした。
つまり、私が帰国した後、どうなるかを考えると、もちろん私の活動を引き継いでやってくれる教員はいないでしょう。
なぜ、こうなってしまったのか、私の一人歩きになってしまったのかを考えたときに、ニーズとデマンドの違いという点に目が行きました。
参考記事▶ニーズとデマンドの違いに悩んでいませんか?~デマンドに応えて大喜びされた一方で私は落ち込んだ話~ - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
私が配属先の学校に必要だと感じたこと(ニーズ)は、子どもたちに対して、図工を通して学べる、過程を大切にした授業でした。
しかし一方で、配属先が私に求めていたこと(デマンド)は、生徒と一緒に売れるモノ(お金になるもの)や、見た目が綺麗なもの、何なら簡単で、手がかからないものを作ることでした。
見た目にかなりこだわる、ジンバブエの人たちの特徴がここで出ています。
結果、私が配属先に必要だと考えたニーズを優先しすぎたせいで、配属先が直接的に求めたデマンドには答えることができず、配属先の先生達は協力的ではなくなり、授業にすら参加してくれない状況も多くなりました。
そこで、このままではまずいと思い、1年経過後、再度2年間の活動のゴールと計画を練り直してみました。
活動のゴールを「教員生徒に図工の面白さを伝える」「教員に対する図工の授業のアイデアシェアとスキルアップ」の2点に絞り、そのゴールに到達するための活動内容も少し変えました。
以下が、そのゴールと活動内容です。
①の教員生徒に図工の面白さを伝えるに関しては、1年目と同じような活動を行っていきました。②に関しては今後の継続性を目指して、生徒ではなく教員に対してのアプローチです。
②にある図工レシピファイルの作成については、ジンバブエでは特別支援学級に対するシラバスがなく、普通級のものと同じであるため、特別支援が必要な子どもたちに合った授業案をまとめて先生達に手渡して、話し合いをしながら授業を進めていきました。
そして、配属先のデマンドにあった簡単で、低コスト、見栄えがいいものという要素も盛り込みながら、自分が考えるニーズと相手側のデマンドをできるだけふまえた図工レシピを作成しました。
その図工レシピの例がこのような感じです↓↓
例えば、これ。
紙をくちゃくちゃに丸めて、紙に貼ろう!というもの。
・出来上がり作品の写真・材料
・どの学年、どの障がいがある子に向いているか
・授業の目的・工程・補助方法・実践例
これらを載せています。
図工レシピまとめはブログにもupしています(´・ω・`)
▶【図工レシピまとめ】子どもたちとの授業の様子と特別支援でも使えるおすすめ度付き! - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
例えばこれなら↑↑
ただお花を描くだけじゃなくて、「線をまっすぐ描く練習をしながら、お花が描ける」という教材です。子どもたちは、好きな色を選びながら色を塗って線を引く。そうすると可愛いお花が出来上がります。
一方教員は、材料(生徒によっては台紙が必要)をストックしておけば、何度でも空き時間にさっと使えるので子供の手をもって一緒に線を描く練習をする時間ができます。
そんな感じで、あれこれ考えながら、図工レシピをファイリングし、後からでも見返せるようにしました。(※JICA事務所まで行きカラー印刷。ジンバブエの人は見た目にこだわるので白黒からカラーに変更しました)
しかし、図工レシピをファイリングしたからと言って、先生達が実際に、私がいないところで授業をしてくれることはほとんどありませんでした。(予想通り)
なぜか。
なぜなら、
「おーかはできるけど、わたしには無理」
と、やはり先生達は図工に対して苦手意識がある様でした。
そこで、私はいずれ日本に帰っていなくなるということをゴリ押し、先生たち向けにワークショップを開催してみました。開催時間は放課後、仕事が終わった後です。
こんな感じです↓↓
実際に先生達に作品を作ってもらったり、そこから発展したアイデアを出してもらったり、子どもたちがその図工を通して何を学ぶのか、などを考えてもらったり体験してもらいました。
結構盛り上がったので、なかなか良いんじゃないか?と私はワクワクしていたんですが、ここで、アフリカあるあるが発生ます…
回数を重ねるごとに参加する教員数激減。
はい。(笑)
「楽しい!ワークショップに参加したい!」と先生達に思わせることができなかった私にも責任があります。
しかし、同時に、「今日は銀行に行かないと」「子どものお迎えに行く」「街に買い物に行きたい」「病院に行く」など、私情を優先するのが "当たり前" になっているこの学校なので、その点は正直少し諦めました。笑(もちろん、自分の生活が優先なのは悪いことではないんですよね…)
参加したい人が、参加してくれたらいい。
そんな思いでした。
それでも、継続して毎回参加してくれた先生達が全教員数のおよそ半数いました。
その先生達は、ワークショップの日程を確認に来てくれたり、楽しそうに一緒に作品を作ったり、ワークショップ翌日、私が入っていないクラスでワークショップでやった内容を授業で実施してくれるという、大きな変化が見られたのです!!
こうやって活動していると、あっという間に私の2年間の活動は終わりをむかえてしまいました。
あっという間と言いますが、長かったような、短かったような、というような感じです。
さて、2年間の活動成果と今後の課題についてです↓↓
子どもたちに対しては、初めは物は投げるわ、すぐ紙はくしゃくしゃにするわ、 ごみをわざと床に落とすわ、順番は待てないは、すぐ「できない」っていうわ。な状況でしたが、図工の授業中においては、2年間でこれらが激減しました。
「図工を通して学ぶ」ことができたのだと、子どもたちを激褒めです♡
同時に、物事に対して意欲的に取り組むようになったり、自己肯定感が上がってきたなと思う出来事もあり、成功体験を積むというのは大切なことなのだと私自身も勉強になりました。
先生達については、図工レシピファイルを活用しながら、私がいなくても実践してくれる先生達は4人ほど。16分の4なので、かなり少人数です。
今後の課題としては、私の帰国後にどうやって、今意欲的に取り組んでくれている教員のモチベーションを維持していくかということと、今後の継続性についてはもちろんあります。
それと同様、特別支援学校での情操教育について、技術がある教員数が少ないことが課題です。
それらの課題を解決するために、活動を引き継いでくれる協力隊の後任の要請をだしています。また、今後、協力隊員が教員養成校(大学・専門学校的なもの)に直接入りって活動していくことで、技術がある教員を増やせるのではないかと考えています。
※話が長くなるので教会パワーの利用↑↑に関しては飛ばします(笑)
以上が、2年間の中で私がジンバブエの配属先の特別支援学校で行った「図工の授業」についてです!かなり私の力不足感はありますが、これが、2年間でわたしにできたことです。(書いてはいないですが、たくさん失敗もしています(恥))
加えて、図工の授業以外では、こんなことをしていました、という例も下にサラッとあげておきます!興味があったら見てみてください!
▶盲の子供たちを連れて大使館へ!協力隊としてはじめてのビックイベント! - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
▶【青年海外協力隊】心つながる音楽ワークショップ!@ジンバブエ - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
▶日本から図工の作品が届きました!!~日本・ジンバブエ間の作品交流~ - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
▶「世界のみんなのWhat’s Your Peace?~JICAボランティアがつなぐ平和~」展~ジンバブエの人たちにとっての平和を聞いたよ~ - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
▶歌で世界をつなごう!11ヵ国13地域の人たちと歌った動画「きみとぼくの間に」 - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼
詳しいエピソードなどは、リンクから飛んで、ぜひ読んでみてください!
おわりに
今回は活動の報告だったので、感情的な面はあまり書いていない(はず)ですし、課題に注目しての報告なので、課題多いなジンバブエ…。と思ってしまわれることもあるかもしれませんが、ジンバブエのいいところ、配属先の学校のいいところ、現地の人に支えてもらった話、面白い話、などなど、たっくさんあります!
そこだけは誤解のないよう…。
私のことは嫌いになっても、ジンバブエのことは嫌いにならないでくだs…
ちなみに、私はジンバブエという国が、土地が、人が、大好きです!
ジンバブエloverです!
ジンバブエのために、たいして何もできなかった自分に悔しい思いを抱えたままの帰国になりましたが、今後、わたしを成長させてくれたジンバブエに何かしらの形でお返しができたらいいなと思っています!!
※2年間の出来事や気持ち面については、また今度の記事で書きます( ..)φ
そして、2年間私が無事任期を終えることができたのも、日本から、その他の国々から、支えてくださった皆様のおかげです。
本当に、
本当に、
ほんっとーーーーうに、
そして、今後とも、よろしくお願いいたします!!!
▼Twitterもやってます
最終日。お別れ会で子どもたちからお手紙をもらったり、歌を歌ってもらったり、とっても嬉しかったんだけど、子どもたちが「行かないで」って泣き出すから私も我慢できなかった。先生達からもプレゼントや一人ひとり素敵な言葉をもらって、涙が止まらない1日でした。わたし、ここにいたんだな。って。 pic.twitter.com/iGrbYAb32V
— さおりん**ジンバブエ (@319ss) 2018年6月20日
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